相続・遺言書作成

■ 相続の原則
相続は遺言書がない場合、民法の規定に従い法定相続されます。
勿論、協議を行い相続人全員の同意が得られれば分配は自由です。
遺言書がある場合には被相続人の意思が尊重されますが、特定の相続人には最低限の財産取得権利である遺留分というものがあります。

■ 相続には期限がある
プラスの財産の範囲内で借金等の債務を相続する限定承認(法定相続人全員の合意が必要)や相続放棄をする場合の届け出(3ヶ月以内)や被相続人の準確定申告(4ヶ月以内)、相続税の申告・納付期限(10ヶ月以内)など各手続きには期限があります。

■ 相続・相続放棄の注意点
・相続は、プラスとマイナス双方の遺産を引き継ぐ
・遺言書がない場合の被相続人名義の預金口座は凍結される
・相続放棄をすると次の順位の相続人に権利義務が引き継がれるため負債がある場合には注意が必要

■ 遺言書の種類
自筆証書遺言…遺言者本人が全て自筆で作成する遺言書
公正証書遺言…公正役場で手続きし公証人に作成してもらうもので証人2人(推定相続人は不可)が必要
秘密証書遺言…自作の遺言書に封をし公証役場でその存在を証明してもらう
*それぞれ費用、保管、内容の秘密性及び相続手続開始に関して一長一短がありますが、近年は、遺言書の紛失や改ざん、有効性(裁判所の検認前の開封など)の問題等により公正証書遺言が増加傾向のようです。

■ 遺言書作成の必要性が高いケース
・面倒をみてくれた特別な方や内縁の妻など相続権がない親族以外の方に財産を遺してあげたい場合
・結婚しているが子供がいない場合
・何度が結婚し、その都度子供を授かっている場合・死別した配偶者の財産を相続している場合
・子供が複数人いる場合や仲違いしている場合
・不動産など分割し難い財産がある場合
・会社経営やマンション経営などをしている場合
・死後にペットの事など気掛かりになる事がある場合
・葬儀などに希望がある場合
・・・など、法定相続となった場合に問題発生の可能性があるケースなどは要注意となります。